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東京研修の思い出

はじめに

先日公開した「リモート勤務のようすを紹介します」というエントリはかなり大きな反響がありました。
あれだけ読んでしまうと、いきなりリモート勤務が始まったように見えるかもしれませんが、実はそうではありません。


ソニックガーデンに入社する前から、倉貫さんや藤原さんと「どうやってソニックガーデン流の仕事を身につけるか」という話をしていて、「やはり3ヶ月ぐらいは一緒に働く必要があるだろう」ということになっていました。


というわけで、僕は6月の下旬から9月の上旬まで、自宅のある兵庫県を離れてソニックガーデンの東京オフィスで研修を受けていました。
今回はその内容や、そのときに感じたことをまとめてみます。


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研修の日程

3ヶ月間東京で研修する、といっても僕には家族や子どももいるので、ノンストップで東京3ヶ月はさすがに辛いだろう、という話になりました。
そこで、3週東京、1週リモート(兵庫)という日程を3回繰り返すことにしました。


しかし、最初から3ヶ月確定!としていたわけではなく、様子を見ながら日程を縮めたり伸ばしたりすることも選択肢に入れていました。
まあ、結果としては当初の予定通り、研修期間は3ヶ月になりました。


どんなことをやっていたのか

ソニックガーデン流の仕事を身につけるためにやっていたのは、主に自社サービスの開発と受託開発案件のサポートです。


自社サービスの開発では社内のメンバーをプロダクトオーナーに見立てて、自分がメインプログラマとしてどう動けば良いのかを学びました。
また、受託開発案件のサポートでは先輩プログラマの横について、打ち合わせの進め方を学んだり、一緒にペアプロしたりしていました。


さらに、時々開かれるオフサイトミーティングではメンバー全員でディスカッションして、会社のビジョンや今後の方向性などを共有しました。


それから、お互いのバックグラウンドやパーソナリティを理解するために、「2対1飲み会」なるものもしました。
いくら小さな会社といっても、飲み会に7人が同時に集まると全員共通の話題に終始しがちなので、僕と他のメンバー2人だけの飲み会を開き、仕事のことからプライベートなことまで互いに深い話をしました。


研修を受けてみてどうだったか

入社する前から「相当レベル高いんだろうな。結構苦労するんだろうな」と覚悟はしていましたが、現実はその何倍も上でした。
いや、もしかすると僕のレベルが低すぎたのかもしれません。
最初の3週間は自分と他のメンバーのスキル差や、求められるハードルの高さに四苦八苦して、最初の3週間が終わったときはもう完全にバテバテでした。。。


なんというか、ソニックガーデンのプログラマはみんな「普通にすごい」です。
お客さんともスムーズに話して色々な提案ができるし、コーディングも光のように速くてキレイだし、運用面もきっちりサポートできてるし、そういう光景を目の当たりにすると、「やばいぞ・・・俺、やべえ!!」との焦りが全身に襲いかかってきました。


入社前に抱いていた「がんばれば何とかなるんじゃないか」という淡い期待が、3週間の間に「必死にやらんとマジでやばい」という強い危機感に切り替わった、って言うと僕の焦り具合がちょっとは伝わるでしょうか?
いずれにせよ、これは現地で研修を受けなければここまでの危機感を持つことはなかったように思います。


また、オフサイトミーティングではメンバー同士で非常に熱い意見を交わし合いました。
ミーティングの内容そのものは細かく書けませんが、聞いてるだけでもワクワクするような、熱くてエキサイティングなミーティングでした。
こういう話し合いに参加していると「いい会社に入れたなあ」と実感できました。


「2対1飲み会」もまた、非常に興味深かったです。
僕自身、他のメンバーに聞いてみたいことがいろいろあったので、この機会にいっぱい質問してみました。
この飲み会のおかげで、ソニックガーデンという会社だけでなく、ソニックガーデンの各メンバーに対する理解も深まりました。


また、メンバーがこれまでどうやって技術的なスキルを身に付けたのかを聞いてみたら、「昔は業務が終わっても夜遅くまでプログラミングをしたり、サーバーをいじったりしていた」という答えが返ってきたのが印象的でした。


僕はこれまでプライベートの時間は技術書を読むのが中心で、手を動かすのは仕事の間だけ、というようなスタイルでした。
なので、読み終えた技術書は大量にあるものの、プライベートで書いたコード量はそれほど多くなかったと思います。


本を読むだけではなく、たくさん手を動かしてきたというメンバーの話を聞いて、「うーん、今までの自分はかなり読書偏重型だったなあ。もっとコードを書く時間も持つべきだった」と少し反省しました。


最後に、これは研修とは直接関係しないのですが、システム開発の相談に来られたお客さんと倉貫さんの会話を仕事中に聞くのも興味深かったです。
その会話の中にソニックガーデンのポリシーや開発に対する考え方が垣間見えたりすることがよくありました。


業務外時間の過ごし方

ここからは平日の晩や、土日の過ごし方について書いてみます。


勉強会への参加

実は今まで、僕は勉強会なるものに参加したことが一度もありませんでした。
デブサミのような少し大きめのイベントなら何度か参加したことがあったんですけどね。


言い訳をすると、住んでいる場所が田舎なので平日は大阪や神戸まで行けないし、土日はやっぱり家族サービスしなきゃなんないので、出かけにくいし・・・ということになります。(はい、言い訳!)


しかし、東京は毎晩のようにどこかで勉強会が開かれています。
この機会を逃してはなるまい!ということで、ちょっと興味のありそうな勉強会やイベントにはどんどん参加することにしました。


最初はやっぱり「うう〜、見知らぬ人たちの中に飛び込んでいくのは不安だよう〜」とびくびくしていましたが、えいっ!と飛び込んでしまえば、意外となんとかなるもんです。
いつのまにか初対面の人と仲良く話してたりして、勉強会ってなかなか楽しいな〜と思ったりしました。


あと、思いのほか自分のことを知っている人が多くてビックリしました。
「あのブログ読みました!」とか「ホットエントリーに入ってましたよね?」みたいなことをよく言われて、とても不思議な気分になりました。
あと、「ソニックガーデンっていう会社で働いています」と自己紹介すると、周りがざわっとしたりして、「ソニックガーデン効果すごい!」とか思ったりもしましたw


実は僕、全然お酒が飲めないので、知らない人と飲むのはさすがに無理!と懇親会への参加は避けていました。
しかし、BP Studyという勉強会で「懇親会行きましょうよ!」と声をかけてくれた人がいて、懇親会にも参加するようになりました。


懇親会も意外と楽しいですね。
懇親会によっては、かなりマニアックな話ができたりして本編と同じぐらい面白いときもありました。
あのとき声をかけてくれてありがとうございました、浦底さん


見知らぬ人が自分を知っているのとは反対に、勉強会では「ネットでよく見かけるあのアイコンの人」や「あの本を書いてたxxさん」に直接お会いする機会も多かったです。
東京にいるとこういうふうに趣味の合うエンジニアや業界の著名人との交流が簡単にできてしまうのがすごいな〜と思いました。
おかげでこれまで全然増えなかったFacebook上の友人が一気に増えましたw


ソニックガーデン経由でのエンジニア交流

エンジニア同士の交流といえば、ソニックガーデンのメンバーが知り合いのエンジニアさんを呼んできて、一緒にランチを食べたりすることもありました。


そういう場では技術的な話だけでなく、自社Webサービスの運営状況のようなビジネス寄りの話も出てきます。
そんなビジネス的な話を聞いていると、「東京ってなんか、日本のシリコンバレーみたいだなあ」と思いました。
まあ「日本の首都 = 日本のシリコンバレー」っていうのが、ひねりのきかない構図なんですが。。。


あと、一番贅沢だと思ったのは「Rails3レシピブック」の著者である、松田さんと諸橋さんを社内に招いて開催した「Rails設計ベストプラクティス勉強会」です。
これは「Railsって、ある程度レールが決まっているといっても、僕のような新参者には何がベストかわからない」という僕の悩みを解決するために、ソニックガーデンCTOの松村さんがわざわざセッティングしてくれた勉強会です。


ソニックガーデンのメンバーもすごいですが、松田さんや諸橋さんもそれはすごい方たちだなと思いました。
「Railsを使っていても気持ちよく書けなかったり、複雑になってしまったりすることはよくある。じゃあそれを解決するGemを作ればいいじゃん!」というクリエイティビティが特に凄まじかったです。
とてもいい刺激になりました。


土日の過ごし方

土日は勉強のためにネットで情報収集をしたり、自主的にコードを書いたりしてることが多かったです。
観光らしい観光はほとんどせず、趣味の楽器屋巡りを2〜3回した程度です。


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これは「必死で勉強しないとやばい」という危機感があったのも大きな理由の一つなのですが、研修期間中は夏の真っ盛りで、暑さのために外出する気力が失せてしまった、というのが隠されたもう一つの理由だったりしますw


おわりに

いろんなできごとがありましたが、一言でまとめるなら非常に有意義な東京研修でした。


ソニックガーデンの仕事の進め方や、メンバーのパーソナリティを理解できたことはもちろん、勉強会などを通じて、これまで全く経験してこなかった世界を知ることができました。


のんびりとした田舎暮らしも悪くないですが、こういう世界を知らないままずっと田舎に居続けたら、どんどん世間知らずなプログラマになっていってたかもしれません。
「ネット越しでしか知ることのなかったソニックガーデンや東京」と、「実際に現地で体験したソニックガーデンや東京」で見えたギャップは、僕に大きな刺激を与えてくれました。


ご報告

ところでここでひとつ、ご報告があります。
以前公開した「ソニックガーデンに入社して1ヶ月が過ぎました」というエントリでは、「僕も早くカウンターに立てる日を目指して、ソニックガーデン流のOJTを続ける毎日です」と書きました。


あのあと、研修期間中の8月末から、新しい受託開発案件のメインプログラマとしてカウンターに立つことができました!
10月の初めには僕がメインプログラマとして開発したシステムを無事にファーストリリースしています。


もちろん僕一人の力だけではなく、必要に応じて周りのメンバーのサポートももらいましたが、無事にリリースまで持っていくことができ、少しほっとしています。
ご存知の通り、ソニックガーデンでは月額定額で継続的に開発を進めていくので、これからもその案件は続きます。
引き続き、気を引き締めて開発を進めていくつもりです。


さらに、DevLove関西2012で発表もします

ついでに告知もさせてください。


2012年11月10日(土)に「DevLOVE関西2012Drive」というイベントで発表させてもらうことになりました。
僕の発表内容は「中の人から見たソニックガーデンの納品しない受託開発」です。
今回のエントリで書いた東京研修や、メインプログラマとしての業務を通じて学んだことや感じたことを、ブログではなく直接みなさんの前で発表させてもらいます。


関西限定ですので、関西近辺のプログラマさん、エンジニアさんは是非ご参加ください〜!他にも魅力的なセッションがたくさんありますよ。
ちなみに、定員オーバーしてもキャンセル待ちを狙って補欠申し込みするのが、東京で学んだ勉強会参加の極意ですww


参加申し込みはこちらからどうぞ!↓
DevLOVE関西2012Drive - DevLOVE関西 | Doorkeeper



さて、以上で僕の東京研修報告はおしまいです。
研修は終わりましたが、ソニックガーデンでの業務はまだ始まったばかりです。
今後も引き続きがんばっていきます!


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僕がソニックガーデンに入社するまでの経緯を書いたエントリです。


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